報 告

 第7回大分緩和ケアの夕べ

日   時  : 平成19年2月28日(水)
場   所  : アステム本社4F 大会議室
参加人数 : 168名 
         医師 30名、看護師 109名、薬剤師 7名、その他 22名

 第7回目の大分緩和ケアの夕べは、 “緩和ケアのおけるうつ状態とせん妄の治療・ケア”を精神科医の島田先生に講演をしていただいた。先生は、この分野では大分県の先駆者であり、別府医療センターにても、緩和ケアチームの一員として活動している。今回の講演には多くの医師が来ており、その関心の高さが伺えた。精神科でない一般医にとって、がん終末期の患者に多く見られるうつ状態やせん妄の治療やケアに、日頃から難渋を感じているためと思われる。
 講演後の質疑応答も多く、多数の医療者が集まり、熱心な講演会であった(文責:山岡憲夫)



 【 講演内容 】


緩和ケアのおけるうつ状態とせん妄の治療・ケア
演者: 島田 文雄(別府医療センター 精神科部長)

                

 【 講演要旨 】


1) 全人的苦痛
2) がん患者の約半数に精神症状
3)がんの診断に対する心理的反応
4)がんによる患者の心理的反応
5)オピオイド鎮痛薬と向精神薬
6)まずは身体的苦痛の緩和を
7)向精神薬
8)向精神薬による薬物療法
9)せん妄
10)せん妄の出現頻度
11)せん妄により引き起こされる問題
12)せん妄の診断基準(DSM-W)
13)よくみられる症状
14)せん妄とアルツハイマー型痴呆の比較
15)せん妄の原因
16)せん妄の治療
17)せん妄の薬物療法
18)ハロペリドール(セレネース)などの副作用
19)せん妄に対する環境調整
20)家族への配慮
21)うつ状態(抑うつ)
22)がん患者のうつ病
23)うつ病の診断基準(DSM−Wより)
24)2つの質問
25)がん患者の抑うつ状態への対応
26)支持的精神療法
27)告知を受けて死にいたるまでの心理的プロセス
28)うつ状態に対する薬物療法
29)うつ状態に対する薬物療法―抗うつ薬―
30)抗うつ薬の副作用
31)がん患者と自殺
32)自殺リスクの高い時期
33)自殺の危険のある人への治療
34)自殺願望が強い場合の薬物療法
35)死を望むがん患者へのケア
36)“自殺したい”と打ち明けられたら
37)コミュニケーションの大切さ
38)コミュニケーションとは
39)援助者の接し方


  =質疑応答=
質疑1)医師(開業医):患者さんが落ちんでいるとき、どの時期に精神科の先生に紹介すればよいのか
応答1)患者さんが死にたいと言い出したときは、一度紹介したらどうでしょうか

質疑2)医師(開業医):精神科の医師は多くいますが、その専門性は、ホームページなどで分かる方法はありませんか
応答2)精神科のどの医師でも、十分に対応できますので、連絡してください

質疑3)医師(緩和ケア医):せん妄などの治療で、がんの終末期の患者さんは経口から飲めなくことが多く、経口以外で効果的方法はあるのか。
応答3):ハロペリドールの注射で対処がもっとも良いでしょう。

質疑4)医師(在宅緩和ケアを実践している開業医):せん妄などの治療で、向精神薬と抗不安薬など両方を使用しているときに、状態が改善していくと、どちらを先に減量や中止にしていくのか
応答4)そのせん妄の基礎となっている病気で異なりますが、抗不安薬を急に切ると良くありません。減らすのであれば、同時にゆっくり減量してください。

質疑5)がん患者さん:私は今、抗がん剤の治療をしており、将来、ホスピスへ入ろうと思っていますが、今は、病院の外科に通っています。外科の医師と精神科の医師との連携はうまくいっていますか、すぐに精神科にかかれるのですか。
応答5):各病院には緩和ケアチームができつつあり、当院でも、週に1回、精神科を受けたい患者さんがいれば、紹介してもらえるようにしています。

質疑6)医師:告知後、2週間を目安に、うつ状態を見るといいましたが、それで回復しない時はどのように対処すればよいのですか
応答6):この場合は、正常の反応であることもあり、抗うつ薬はまず、必要ありません。まずは、抗不安薬で様子を見てください。抗不安薬は効果が早いです。

以上、多くの質問があった。
今回、島田先生の意向により、講演スライドの内容まで見せることは出来ません。スライドの題目だけでした。でも、その題目より、その講演の量の多さ、質の高さが分かると思います。質問や聞きたいことは、直接、島田先生まで連絡してください。(文責:山岡憲夫)