報 告

 第34回大分緩和ケアの夕べ

日   時  : 平成20年9月17日(水)
場   所  : 大分アステム 4階大会議室
参加人数 : 



 【 講演内容 】

『がん医療における倫理的問題
  〜インフォームド・コンセントの原点の実践に向けて〜


演者: 寺町 芳子氏 (大分大学医学部看護学部 教授)

座長: 尾立 和美氏 (大分赤十字病院 緩和ケア認定看護師)


 【 講演要旨 】

 がん治療は、多様化・複雑化し、しかも再発以降の治療では、EBMが十分に検証されていないことも多いのが現状です。このような状況の中でがん患者は、医療者からの情報提供を得て、自らの状況認識に基づき、納得して治療法や療養の場の選択に関する意思決定を行い、自分の人生を生き抜いて行かなければならないのです。
 わが国に、インフォームド・コンセントの概念が導入されてから20年近くが過ぎましたが、インフォームド・コンセントで伝えられる情報は患者にとって、悪い知らせの場合も多く、特に、再発以降の病状の説明では、医師も患者や家族も悪い知らせを伝えることを避け、看護師も受け身的で積極的な支援を行っていない傾向が続いていると思います。インフォームド・コンセントとしての「悪い知らせ」を伝えるということがより促進され、患者の主体的な意思決定が行われていくためには、どのように考え、実践していったらよいかを考えていきたいと思います。