報 告

割の患者で十分な鎮痛が得られると言われていることは周知の事実です。しかしその一方でラダーに従って疼痛管理を行っても十分な除痛が図れない症例や鎮痛はある程度できてもその副作用に悩まされる症例を経験する医療従事者は少なくないと考えます。実際に我々の施設においても十分な疼痛管理ができていないまま転院した症例、最期を迎えた症例も多々あります。疼痛管理に難渋しているのはどの施設でも、また演者本人も同じです。  
 今回の講演では経験した症例を基に比較的疼痛管理が出来た症例、未だに悩んでいる症例などをあげてお話したいと思います。


 第32回大分緩和ケアの夕べ

日   時  : 平成22年2月17日(水)
場   所  : 大分アステム 4階大会議室
参加人数 :  



 【 講演内容 】

『 一般病棟から緩和ケア病棟立ち上げまで』

演者: 深野 昌宏氏 (中津胃腸病院 院長)

座長: 赤嶺 晋治氏 (大分県立病院 呼吸器外科部緩和ケアチーム室長)


 【 講演要旨 】

 緩和ケアが大切なことはわかっていても、一般の急性期病棟で忙しい日常業務に忙殺されながら終末期のがん患者さんをケアしていくことがいかに困難なことか、皆さんは肌身で感じておられること思います。緩和ケアの心を持って治療・ケアすることは大事なことですが、すべての医療者にそれを求めるのは無理を生じます。5年前、ジレンマを感じていた私たちはどうしたらうまくいくのか考え始めました。そして院内勉強会を開催したり、学会研究会に参加し先輩方の教えを請いながら緩和ケアを勉強しました。4年前、緩和ケアチームを作り、4つある病棟の一つを緩和ケア担当病棟としました。一般病棟ではどこにも負けない緩和ケアを提供しようと今日まで取り組んできました。そしてこれまでの経験をもとに県北で初めての緩和ケア病棟を立ち上げます。
  この5年間の私たちの取り組みの一端をご紹介します。皆さんの何かの参考になれば幸いです。